FAQ
よく使う漆の色をざっくり説明します。
・黒…黒です。漆黒。真っ黒です。
・本朱…一般的に「朱」といいます。朱色。
・溜…読みはタメ。まず朱を塗った上に飴色の透き通った漆を塗ります。 上塗り漆の薄く掛かった部分は下地の朱がほんのり浮き出てやわらかな
グラデーションになります。また、時間がたつにつれて飴色の漆が
透けて明るい溜色になり変化を楽しめる、お得な色。
・古代朱…読みはコダイシュ。朱より黒っぽく落ち着いた色です。
・洗朱…読みはアライシュ。オレンジに近い朱です。
・吟朱…読みはギンシュ。古代朱とほぼ同じです。
・根来…読みはネゴロ。フチが透けて黒く浮き出た風情の朱塗りの器の事です。 (根来寺のお坊さんが長年朱塗りの器を使っているうちに
そのような風情になったことから付けられた名前)
・目弾…読みはメハジキ。木目の凹凸を生かす簡単な下地の上に上塗りしたもの。
表面に木目の凹凸が浮き出ています。
・白…白漆といいますが、クリーム色に近いです。 うるみ朱と黒漆を混ぜ合わせて作った、こげ茶色の漆です。
配分の加減で、明い茶や黒っぽい茶になります。
・摺漆…読みはスリウルシ。
生漆を塗り、直後に布で摺り込むように拭き取るという塗り。
木目模様の美しさを生かした塗りです。
・木地呂…キジロ透けて見える木目の美しさを楽しむ塗りです。
木目の模様を生かすために透けた漆を塗り重ねていったものです。 摺り漆を数回行った木地に無油の木地呂漆を塗ったもの。
加飾の種類は蒔絵から印刷までさまざまです! それぞれの技法や特徴についてご説明します。
まずは「蒔絵」について。
上塗りした漆器の表面に漆を付けた筆で絵や模様を描き漆が
乾かないうち金や銀の細かい蒔絵粉をまき付ける。 漆の付いた部分だけに、粉が接着して絵や文様が表れる装飾です。
---蒔絵の種類
高蒔絵:タカマキエ表面を盛り上げたゴージャスな蒔絵です。
蒔絵漆を何度も塗り重ねて、立体感を持たせます。
消蒔絵:ケシマキエ艶が無く明るい金色です。消粉の金粉を蒔く技法。
平磨蒔絵:ヒラミガキマキエ艶があり落ち着きのある色になります。
磨粉の金粉を蒔きその上から摺漆をかけ、
金粉を固め乾燥後砥石の粉などで磨き上げる技法。
研出蒔絵:トギダシマキエ蒔絵が漆に封じ込められているので表面が フラットになりとても高級感があります。 粉をまき付けた後、前面に漆を塗り重ね金銀の粉が出てくるまで
研ぎだして仕上げる技法。
箔絵(切箔):ハクエ(キリハク)金箔を漆で貼り付けたもの。
蒔絵とは違った革のような風情があります。
漆絵:ウルシエ赤や緑、黒、黄色、等の色漆を用いて描かれたものです。
「その他の技法」
沈金:チンキンのみ等で彫る細い線や大胆な線などが美しい技法です。
のみで彫った溝に漆をかけ金粉や金箔、朱の粉、硝煙等をまいたものです。
印刷:印刷技術が進歩しているので、細かい線が美しく表現でき様々な色が使えます。 大量に加工できるため豪華な柄や模様がリーズナブルに付けられます。
シルクスクリーンやパット印刷という技法があります。